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フランス語の参考書⑧『憂い顔の「星の王子様」』

07 22, 2013
憂い顔の『星の王子さま』―続出誤訳のケーススタディと翻訳者のメチエ憂い顔の『星の王子さま』―続出誤訳のケーススタディと翻訳者のメチエ
(2007/05)
加藤 晴久

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 目次

 第1部 批評はハッタリか?(『星の王子さま』はオトナのための小説か?
 ボアはボアだ
 「飼いならす」とは「絆をつくりだす」こと)
 第2部 翻訳者の務め(翻訳批評のルール
 「印象訳」という煙幕
 「翻訳者=演奏家」の陥穽)
 第3部 憂い顔の『星の王子さま』


 著者は猛烈に怒っている。
 副題は「続出誤訳のケーススタディと翻訳者のメチエ」。

 内容は、内藤訳を中心に、「星の王子さま」の訳書15点を取り上げて、訳文を検討していくというもの。「はじめに」にあるように、「自動車に欠陥が見つかれば、メーカーが無償で回収・修理する責任を負うリコール制度があり、その他の製造物の欠陥についても製造物責任法で製造者に賠償責任が生じるのに、出版社が欠陥翻訳の責任を問われない、翻訳公害垂れ流しの実態に一石を投じた」(p.5)ものになっている。

 末尾にはこうある。「翻訳も結局は、外国語力の問題ではなく、おつむの問題である」。「こんな翻訳を50年間にわたってコドモたちに読ませてきた責任は誰が、どうとるのか」(p.251)。

 よくぞ言ってくださったという感じである。誤訳指摘の場でも、おつむを少しでも働かせればこんな訳になるはずがないという姿勢で斬っていく。技術翻訳でも文芸翻訳でも、感覚で訳すとろくなことにならないということがよくわかる。

 ただ、基本の問題と枝葉末節の問題を区別せずに論じているので、「これはどのレベルの問題にあたるのか」を常に意識して読む必要がある。

 本書はあくまでも、副題の通り「ケーススタディ」である。誤訳を指摘すればきりがないし、誤訳をしない翻訳者はいない。偶発的な誤訳ならいつでも生じる可能性がある。それ以前に、そもそも誤訳とは何なのか。何をもって誤訳と言うのか。誤訳はなぜ生じるのか。なるべく誤訳をしないようにするにはどうすればいいのか。問題は山積みである。


 残念ながら本書は絶版です。内容の点からも、再び出版されることはないと思います。古本屋や図書館で探してみてください。
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翻訳の森に迷い込んでもう3年。トライアリスト東京。

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