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「ユマニチュード」の「流通」

02 08, 2014
 「ユマニチュード」ということばがどんどん「流通」しています。

 ユマニチュードを表すのに「魔法のような認知症ケア」というものがありますが、個人的にはどうかなと思っています。こういう口当たりのいいことばを使うと、どうしても表面的なものしか伝わらなくなりますし、一過性の流行で終わる原因になるのではとも危惧しています。

 ユマニチュードは「魔法」でもなんでもありません。考案者のジネストさんとマレスコッティさんが何十年もかけて築き上げてきた哲学と技術の体系です。

 このようなことばを使うと、本来は同じ考えを持ち、協力を得られるはずの人たちに反感を抱かせることにもなるのではと思います。実際にネット上ではちらほら反感、批判の意を表す方も出てきています。そのような方々の言い分は、「プロだったらそんなことはとっくにやっている。それを今さら何が魔法だ、フランス流だ」というようなものです。

 これは当然の反応でしょう。

 ただ、テレビや新聞等のメディアにはどうしても量的な制約があります。一番「受けがよく、わかりやすい」面を扱わざるを得ないのです。


 ユマニチュードの4つの柱、「見る」、「触れる」、「話す」、「立つ」というものがあります。もちろんこれはユマニチュードの根幹をなす要素ではあります。
 とはいえ、この背後にある人類学的、哲学的、歴史的な背景まで理解しないことには、その意義が薄れてしまうのではないかと思います。

 ユマニチュードが話題になる以前からこれと同じような介護を実践していたという方も、その背後にある考え方まで含めて把握していただければ、何か新たなヒントが得られるかもしれません。

 現時点では日本語でこのような内容を読める書籍はありませんので、あと数ヵ月お待ちください。「Humanitude」の翻訳書が出版されてから、それを基にいろいろな議論が巻き起こり、本田美和子先生を中心に現状を変えていく運動が今以上に盛んになるのを願っています。



 そうなれば日本も、老いを肯定的に捉えられる国、安心して老いることのできる国、人生の最期の瞬間まで自らの生をかみしめることのできる国、ユマニチュードの絆に支えられながら死んでいくことのできる国になります。
 
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-2 Comments
By CNA02 09, 2014 - URL [ edit ]

現状では、ユマニチュードのケア手法による改善効果に関する客観的なデータ示されておらず、僅かな体験記を元に普及を図ろうとしているように感じられます。

日本で現在、主流のパーソンセンタード・ケア手法等を活用し認知症の利用者に対し成果を挙げている介護現場なら、パーソンセンタード・ケアを捨ててまでユマニチュードに移行するからには余程のエビデンスが要求されるでしょう。なぜパーソンセンタード・ケアではだめなのか、ユマニチュードならパーソンセンタード・ケアに比べどれだけ優れているのかを、根拠と共に統計的に有意なデータで示してもらえれば良いかと思います。

介護保険法に基づき厚生労働省令で定められた運営基準により介護サービスを提供する事業者は身体的拘束を行う事は原則として禁止されています。ですから病院では拘束同意書や薬で「おとなしく」させるという状況があるのかもしれませんが、介護現場ではそもそもそういった状況に無いので「魔法」も起きないと思います。

毎日新聞の8月28日の記事に「4日間の研修で190万円」とありますが、病院に比べ予算が乏しい介護現場でそこまで費用をかけてペイすると主張するには、導入メリットを金額で正確に示していただく必要があるかと思います。

しかし、ユマニチュードに関してはまだ良く判りませんので、引き続き情報を収集し現場における有用度の見極めをしたく思います。

By クルック02 14, 2014 - URL [ edit ]

CNAさん

コメントありがとうございます。

科学的根拠や費用対効果等の点に関しましては、そもそもまだ日本では導入されたばかりですし、これから蓄積されていくことと思いますので、あまり心配はしておりません。

それよりもそれ以前の問題として、介護の専門家でも現場を知る者でもない私には、ユマニチュードが一律に「手法」や「テクニック」として語られてしまっている現状、その流通のしかたにやや不安感を覚えてしまうのです。

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翻訳の森に迷い込んでもう3年。トライアリスト東京。

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