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ニオケルーシス病

12 16, 2014

 
こうすれば医学情報が伝わる!! わかりやすい文章の書き方ガイド (ライフサイエンス選書)こうすれば医学情報が伝わる!! わかりやすい文章の書き方ガイド (ライフサイエンス選書)
(2014/10/08)
林 健一

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 最近出た『こうすれば医学情報が伝わる!!わかりやすい文章の書き方ガイド』という本に、こんな話が出てきます。以下引用です。

引用 
医療機関や製薬企業で働いていると、上司や先輩の影響を受けて、いつの間にか「〜において」や「〜における」を頻繁に使うようになります。(中略)「〜において」や「〜における」を使うのは深刻な感染症なのです。(中略)平盛勝彦先生は、『白衣を脱いだらみな奇人』(日本評論社)という著書のなかでこの感染症に名前をつけました。先生のつけた病名は「ニオケルーシス病」というもので…(中略)病気であれば、治療しなければいけません。



 トライアリストではこれを「おけるウイルス」と呼んでいます。同じ発想ですね。

 やっぱり、お医者さんや製薬企業で働く人のなかにも、日本語と真剣に向き合っている人はいるのです。医学雑誌を読んでいてもほとんどの論文が日本語になっていませんが、たまに一点の曇りもない整然とした日本語で書かれた論文を目にします。本当に同じ日本語で書かれているのかわからなくなるくらい大きな差があります。

 中井久夫さんも精神科医ですが、ヴァレリーの翻訳もあれば、日本語に関する著書も出しています。いったいこの差はどこからくるのでしょうか。とても興味があります。


私の日本語雑記私の日本語雑記
(2010/05/29)
中井 久夫

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 読書量でしょうか。でも、質の悪い日本語で書かれた本を大量に読めば、それだけ悪い影響を受けることになります。お医者さんは論文をたくさん読んでいるはずですから、そのなかから平盛勝彦さんのような人が出てくる説明がつきません。

 僕は「美意識」かなと思います。といっても「きれいな日本語」とか「美しい日本語」というように個々人の感覚に左右されるものではなくて、いかに無駄がなく、整然としていて、読者がスッと入っていけるような日本語を書くかというもの。それを突き詰めた結果、小説を書いたり、翻訳をしたりという人が出てくるのではと踏んでいます。

 何か病気になって手術が必要になりました。命にかかわります。担当医をふたりから選べます。手術の成功率は同じだけれども、一方はまともな日本語が書け、もう一方はわけのわからない日本語しか書けません。どっちを選びますか。私は絶対に前者。後者の方が多少成功率が上だったとしても前者を選ぶかもしれません。「美意識」のない人、自分なりの価値判断の基準のない人に命を預けるのはやっぱり怖いです。




白衣を脱いだらみな奇人―あるドクターの本音と本当白衣を脱いだらみな奇人―あるドクターの本音と本当
(2005/06)
平盛 勝彦

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翻訳の森に迷い込んでもう3年。トライアリスト東京。

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